ベナンダンティ もっと深く その2

戯 幽(たわむれ かそけ)のオカルト覚書です。

 

引き続き、ベナンダンティをとりあげます。

 

さて、Wikipediaに興味深い文章がありました。

 

フリウーリの人々の習慣では、ベナンダンティは生まれた時から運命づけられた先天的な力だと考えられていた。[2]特に、後々ベナンダンティとなる人は頭を羊膜または羊膜嚢に包まれて生まれてくると広く信じられていた。[3][4]当時のフリウーリの民間伝承では、羊膜は魔術的な力とともに与えられ、兵士を危険から守り、敵が手を引くように仕向け、訴訟において弁護士が勝利するのを助ける能力と関係があるとされた。[5]その後の時代では、イタリアの多くの場所で、魔女が羊膜に包まれて生まれてくるという信仰をもった、フリウーリの民間伝承と関係する言い伝えが見つかった。[5]

ポイントは「羊膜」です。

さて、「クルースニク」と「クドラク」という伝承があります。

クルースニクは生まれついてのヴァンパイアハンターであり、吸血鬼クドラクを狩る者。

そしてクルースニクは白い羊膜に、クドラクは赤い羊膜に包まれてくると伝えられています。

おや、「羊膜」で繋がりましたね。

 

羊膜は妊娠してから赤ん坊を包んでいる薄い膜です。袋、というべきでしょうか。もしくは、ゆりかご。

通常、出産において破れ(破水)て、分娩を促します。

 

しかしごくまれに、「羊膜に包まれて産まれる」ことが実際に起きます。En Caul Birth(エンコールバース)、英語圏ではマーメイド・バース(人魚の出産)と呼びます。

caul 自体、以下のような意味を持っています。

〔子宮内の〕大網膜◆羊膜の一部で、幼児が生まれる時に頭にかぶさっていることがあり、幸運の印とされる。

eow.alc.co.jp

そのcaul に、接頭語の en がついて、「~に包まれた」の意味が付加されます。

 

この「羊膜に包まれて生まれる」現象は80,000人に1人。神聖にしろ悪魔的にしろ、特別視されてもおかしくない確率です。

 

今回は赤、白の区別はひとまず置いておきましょう。というのも、「白い羊膜」「赤い羊膜」という自然現象の裏が取れず…。羊膜は通常、透明です。そこに色がつく、という現象があるのか、調べきれませんでした。

 

さしあたって、「羊膜」というワードでつながった、ベナンダンティとクルースニク・クドラク

実はもう一つ、気になっている点があります。それは次回、もっと深く その3で考えてみましょう。